物忘れとの付き合い方、そして子どもの頃の記憶
この回は、「雑談系ポッドキャストの日」というイベントに参加した配信です。喋り足りない部のマイコーさんが主催する企画で、参加ポッドキャスト共通の話し始めのテーマが決まっています。
今回のテーマは「忘れがちなこと」。ジョルノさんはまず、自分がもともと記憶力が悪く、いろいろなことを忘れると打ち明けます。
特に忘れやすいのが、イベントや約束などの予定だといいます。いつどこに行くか、何日が飲み会か、といった予定をすぐに忘れてしまうそうです。
ただ、これは年を取ったから忘れるという話ではなく、むしろ若い頃のほうがひどかったと振り返ります。
特に子供の頃のほうがもっとひどかったですね。短期記憶が異常に弱くて、忘れ物や落とし物がすごく激しかったですね。
さらに、ひどい多動と癇癪を起こす癖もあり、自分でも「本当に困った人間でした」と語ります。子どもの頃の困りごとを、いまは笑いを交えて振り返っています。
テクノロジーで物忘れをカバーする工夫
いまジョルノさんが物忘れにどう対処しているかというと、テクノロジーの活用です。予定はその場で決まったらすぐにiPhoneに入れてしまうといいます。
携帯に予定を入れる習慣自体は、ガラケーの時代から続けてきたそうです。ただ、それだけではうまくいかなかったと話します。
予定を入れても忘れてしまい、約束の時間にアラームが鳴って慌てることがあったといいます。そこで、アラームの鳴らし方を工夫するようになりました。
いまは、予定の1日前と数時間前の2回、必ずアラームが鳴るように設定して、物忘れを回避しているそうです。
幸い、年を取って脳が落ち着いたのか、いまのほうが短期記憶も長期記憶も良くなり、そんなに忘れなくなったと感じているといいます。
仕事用とプライベート用、2つのカレンダー問題
一方で、いま困っているのが、仕事の予定表とプライベートの予定表が分かれていることです。iPhoneも仕事用と個人用の2台を常に持ち歩いているといいます。
充電器もLightningとUSBで違うなど、2台持ちそのものが面倒だとこぼします。さらにやっかいなのが、予定の入れ間違いです。
仕事の会食は会社のiPhoneに、プライベートの予定は自分のiPhoneに入れる。そのため、片方にしか入れておらず、週明けに会社のGoogleカレンダー ── グーグルが提供するオンラインの予定管理サービス。パソコンやスマホから予定を共有・確認でき、仕事でも広く使われていますを見たら別の予定が入っていた、ということがたまに起きるそうです。
そこで今は、時間外の会食はプライベートの携帯にも入れ、プライベートの予定は非公開設定にして職場のカレンダーにも入れる、という二重管理をしているといいます。
これめんどくさいんですよね。ほんとなんか一個にしたいんですけど、セキュリティがね、厳しくなって、いろんな連携ができないんですよね。
しかも、そのセキュリティを厳しくする係が自分自身だというオチも付きます。一本化したいのに、自分でかけた制約で面倒を抱えている状況です。
記憶に残すコツは「ストーリーで理解する」
短期記憶が悪かったジョルノさんですが、年を取って覚えられることが増えた背景の一つに、覚え方の工夫があるといいます。
それは、全てをできるだけストーリー一式で理解するという方法です。物語として覚えると、とても忘れにくくなると話します。
ここでジョルノさんは、リスナーにも身近な物忘れの場面を挙げていきます。
- 冷蔵庫まで行ったのに、何を取りに来たか忘れる
- 携帯を開いたのに、何のために開いたか忘れる
- 洗剤を買うはずが、安くなっていた別のものだけ買って帰る
こうした買い物の失敗には、iPhoneのリマインダーを使っているそうです。時間や場所を指定してアラートを飛ばせる機能があり、便利だと紹介しています。
仕事で「自分が老いたこと」を忘れてしまう
ここから話は、物忘れの中でも少し重いテーマへと移ります。ジョルノさんが最近感じているのは、「自分が老いたことを忘れる」という感覚です。
なぜ忘れるのかを考えたとき、思い当たったのが日々の仕事だといいます。仕事をしていると、次々とタスクが降ってくる。
正直、こんなタスク年寄りにさせんなよって思うようなタスクもいっぱい降ってくるんですけど。
年齢に関係なく、みんなで同じようにタスクをこなす。その中で、自分が老いたことを忘れてしまうのだと分析します。
老いを実感するのは、パフォーマンスの低下です。体力も、メンタルも、ひらめきも落ちているはずだと感じています。
昔だったらまだまだ脳をゴリゴリ動かして、8時間ぐらいもっと脳をゴリゴリ動かして働くことができたんですよ。
当時は上昇志向があった一方、いまは窓際志向で落ち着いていく感覚だといいます。同じようには働けないという自覚が、じわじわと出てきています。
「昔の自分ならできた」という罠
ジョルノさんは、本当は自分が作りたいものを作りたいのに、順番として、やりたいことが全部後回しになっていると語ります。この数年、あるいは10年近く、その状態が続いているそうです。
仕事が詰め込まれたり、自分で詰め込んだりする中で、最近は「もうそろそろ断ろうかな」と思うようになったといいます。積極的に手を挙げない、という活動もしているそうです。
それでも、窓際族で無理をしなくていいはずなのに、つい引き受けてしまう。しかも去年は臨時収入もそれなりにあり、報われてしまうと、つい引き受けてしまうと明かします。
その根っこにあるのが、できた頃の自分をベースに考えがちという人間の癖です。
ジョルノさんは、前回の配信で触れたスーパーライジンの話を例に挙げます。43歳の青木慎弥選手が語っていた言葉が、印象に残ったといいます。
もう動かないのは分かると自分の体が。でも、ついやっぱりやってしまうと。オファーが来たりすると。
これを聞いて、「仕事してる人みんな一緒だな」と感じたといいます。体はもう動かないと分かっているのに、期待やオファーがあると、つい応えてしまうのです。
だからこそ、「もうそんなに動かないんだ」ということを、自分にも周りにも示していかないといけない。ジョルノさんは、それを最近強く思うと語ります。
年を取ると欲が減っていく
雑談の流れで、話題は「欲」へと移ります。ジョルノさんが年を取って思うのは、欲がどんどんなくなってくるということです。
いまは職場で出世したいとも、のし上がりたいとも思わない。「こうしたい」というものがなくなってきたといいます。人生の終わりも見えてきて、高望みできないからだと語ります。
たとえば今から大リーグに行きたい、格闘技の大会に出たい、といった夢は、20代なら思ってもいい。しかし今は現実味がなく、そこにベットするのは無駄が多いと感じるそうです。
ジョルノさんは、20代後半の自分を振り返ります。高いワインを覚え、上昇志向で一時は起業のようなこともし、稼いだお金でクラブに行ってシャンパンを開けたこともあったといいます。
当時は、福岡で一番高級なホテルのワイン会に参加し、ソムリエがいいワインを開けてくれる場に心が高揚したそうです。ハイソな雰囲気に欲が刺激されていました。
今ね、全然そんなことないんですよ。
今は食事に行くのも、美味しいものというより、誰かと会って話すことが主な目的になっていると話します。派手な遊びへの欲そのものが薄れているのです。
若さと欲、氷河期世代の背景
ジョルノさんは、若い頃の欲には、時代背景もあったと振り返ります。氷河期世代でお金のない時代を過ごし、テレビできらびやかな生活を目にしていたといいます。
そして、こうした状況は今のほうがひどいのではないかと指摘します。SNSで金持ちほどバズり、華やかな生活が目に入りやすくなっているからです。
若い頃は、海外旅行に行き、いいワインを飲み、派手な遊びをしてみたい、という欲があった。それはどんなに孤独な人でも抱くものだと語ります。
でもそれをやりたいのって、やっぱ若くて活力があるからで、老いていくとね、なんかそれすらもなくなってくるんですよ。
寂しい話だと前置きしつつ、これは現実だとジョルノさんは受け止めています。欲は活力とセットで、活力が減れば欲も減っていくという実感です。
人生は「足し算」から「引き算」へ
ただ、欲が減ることが悪いことばかりではない、とジョルノさんは続けます。ここから、この回の中心となる「足し算」と「引き算」の話に入ります。
若い頃は、あれもやりたい、これも欲しい、という足し算があっていい。しかし年を取ってからは、局面が変わってくるといいます。
今まさに、その引き算のフェーズが自分に訪れていると感じているそうです。
若い頃は「あれもこれも」の足し算。出世、稼ぎ、いいものへの欲でどんどん増やしていく
年を取ると「何をやめるか」「何を残すか」の引き算。無駄なものをそぎ落とすフェーズになる
ただし、そぎ落としたくても、そぎ落とせないものもあると、ジョルノさんはシビアな例を挙げます。その一つが人間関係です。
たとえば配偶者がいる人が、別に好きな人が現れたとき、その人を選びたくても、パートナーを簡単に切ることはできない。人は愛や恋だけで生きているわけではないからだと語ります。
両方を選ぶ選択をしてもいいと自分は思うけれど、世の中や社会、倫理がそれを許さない場合もある。そちらを選んで幸せな未来が待っているとも限らない。ここが難しいところだと話します。
自分のために時間を使いたい、もう一度小さく始めたい
話がひと回りして、ジョルノさんが最近本当に思うのは、「自分のために時間を使いたい」ということです。
なんかしょうもない[[JTC::「Japanese Traditional Company」の略。日本の伝統的な大企業を指すネットスラングで、古い慣習や非効率さを揶揄するニュアンスで使われます]]のタスクのために時間使いがちなんで、もっとサボんないとなって思ってます。
ただし、サボれる立場を確保するためにも、やるべきことはやらないといけない。そのバランスがしんどいところだと打ち明けます。
年を取って時間がないからこそ、「もう一発」やりたいという思いもあるといいます。20代後半で一度起業し、30代は副業を細々とやってきたと振り返ります。
仕掛けたものはそれなりにお金を残せてきたが、小さいことからでもいいので、もう一度何かをやれる体制を作りたいと最近思っているそうです。
もう一発、ちょっと小さいことからでもいいけど、なんかやれる体制を作りたいなって最近思ってます。
その一つとして、ポッドキャスト関連で面白いサービスができるかもしれない、と少しだけ構想をにおわせます。できたら宣伝するので使ってほしい、とリスナーに呼びかけました。
お金の使い道も忘れる、マネーフォワードでの記録
最後にジョルノさんは、忘れがちなこととして、お金にまつわる話を付け加えます。まず、人にお金を貸したことも忘れがちだといいます。
大きな金額を貸して分割で返済してもらうとき、いくら返してもらったか分からなくなるため、毎回銀行振込にして記録が残るようにしているそうです。
さらに、自分がお金を何に使ったかも忘れると話します。ジョルノさんはマネーフォワード ── 家計簿・資産管理サービス。クレジットカードや銀行口座などと連携し、支出や資産を自動で記録・可視化できますを契約し、支払いはほとんどクレジットカードやPayPayにしているそうです。
現金だと財布から減っていく体感で覚えられるという人もいますが、ジョルノさんはデータで持っていないと忘れがちだといいます。
マネーフォワードを見ると、今月はこれに出費が多かった、と後から把握できる。旅行や大きな買い物で支出が増えたときも、原因を探しやすいと便利さを語りました。
まとめ
物忘れの工夫から始まった雑談は、40代の仕事、体力、欲、そして残りの時間の使い方へと広がりました。「昔の自分」を基準に無理をせず、足し算から引き算へと生き方を切り替えていく——そんな一人の会社員のリアルな心境が語られた回です。
- 予定や買い物の物忘れは、iPhoneのアラームやリマインダーの時間・場所通知でカバーできる
- 記憶に残すコツは、物事をストーリーとして理解すること
- 仕事とプライベートで端末やカレンダーを分けると、予定の入れ間違いという別の物忘れが生まれる
- 「昔の自分ならできた」を基準にすると、老いても無理して引き受けてしまう罠にはまる
- 若い頃の足し算から、年を取ってからは「何をやめ、何を残すか」の引き算へ。自分のために時間を使う意識が大切になる







