一度勝つことと、勝ち続けることは何が違う?
今回の本編でごうさんが取り上げたのは、「勝つこと」と「勝ち続けること」は結構違う、というテーマです。その日だけなら無理して乗り切れることでも、明日も明後日も同じやり方を続けられるかどうかは別の話になる、と語ります。
ごうさんによれば、このテーマは勝ち負けの話だけではありません。「できること」と「でき続けること」も同じ構図で、前回話した「自分のコップを満たす話」にも近いといいます。
その瞬間、その瞬間、誰か人を助けることと、ずっとその先も人を助け続けられることっていうのは、同じ助けるっていう意味ではね、似てるかもしれないけども、そこまでに至る道のりっていうのは全然違ってくるんですよ。
ごうさんがわかりやすい例として挙げたのがスポーツです。一発勝負の短期決戦では、弱い側が強い側に勝つジャイアントキリング ── 格下の選手やチームが格上の相手を倒す番狂わせのこと。サッカーなどのスポーツ報道でよく使われる言葉ですが起きることがあります。
一方で、年間のリーグ戦のように何度も対戦を重ねると、地の力がある実力のある側がどんどん勝っていく、とごうさんは説明します。
ごうさんは戦い方の違いにも触れています。今日の試合に勝つだけなら力を出し切れますが、来週も再来週も試合があるなら、今の一試合のためだけに無理をする戦術は取りにくくなるといいます。
一発勝負なので、その瞬間に力を出し切れる。番狂わせも起きやすい
何度も対戦するので、実力のある側が勝ちやすい。一試合のための無理はしにくい
一回ならできる無理っていうのも、続けるってなると話が違ってくるし、勝った後も次があるみたいな状況で、今どのカードを選ぶか(が大事になる)。
このカードの選び方は、スポーツに限らず、仕事や日々の生活にも近いものがあるのではないか、とごうさんは話しています。
爆発的に売るか、定番として売れ続けるか
ごうさんは商売にも同じ構図があるといいます。爆発的な人気で最大瞬間風速的に売るものと、派手さはなくても定番として地味に売れ続けるものは、まったく違うという指摘です。
話題になって一回買ってもらって、それで満足しちゃうのか。何回も何回も、まあ年に一回かもしれないけれども、毎年毎年買ってもらえる、選ばれること。
一瞬の爆発的な売れ方を狙うなら、派手な露出や宣伝という手段があるかもしれません。一方で、定番としてじわじわ広がる道を選ぶなら、広がったときにも耐えられる事業の足腰を今のうちに作るルートになる、とごうさんは整理します。
話題になって一度買ってもらう。派手な露出や宣伝で一気に売る
毎年選ばれ続ける。広がっても耐えられる事業の足腰を先に作る
一瞬の注目を集め続けようとする人もごくまれにいますが、どこかで波に乗り続けられなくなるケースが基本だ、とごうさんは見ています。そのため、この2つはほぼ二択になるのではないかと話します。
ごうさんは人生にも話を広げます。小説や映画は2時間の枠でエンディングを迎えますが、登場人物の人生はその後も続きます。その先が苦しくなるなら、一瞬大勝ちしただけで人生が幸せだったとは言いにくい、という見方です。
わたあめ事業で、あえてブームを避ける理由
ごうさんは自身のわたあめ事業でも、この点を意識しています。事業を大きくしていくうえで、一時のブームとして一気に拡散するような広がり方は、できるだけ避けているといいます。
ごうさんが例に挙げたのは、タピオカ ── キャッサバ芋のでんぷんから作る粒状の食材。タピオカミルクティーは日本で何度かブームになりましたや、一昔前に流行った生キャラメルのようなキャッチーなスイーツです。珍しいスイーツには一気に拡大できる要素がある一方、問題はその後だと話します。
(ブームの)爆発力で推進しちゃった場合の、後の戦い方が非常に難易度が高くなっちゃう。
そのため、外から進みがゆっくりに見えても、目立つ戦略や戦術はあえて取らず、派手な宣伝広告もしないようにしているそうです。話題先行で急にしぼむのを避けたい、というのが理由です。
ただしごうさんは、この方針が正解かはまだわからないとも認めています。十分に広がらずに散る可能性もなくはない、と率直に話しています。
孫子の兵法が教える「まず負けない体制」
ごうさんの考え方の根っこにあるものの一つが、孫子の兵法 ── 古代中国の兵法書『孫子』に記された戦いの原則。戦わずに勝つことや、勝てる条件を整えることを重視し、現代のビジネス書でもよく引用されますです。古くから読み継がれている兵法書だと紹介しています。
ごうさんなりに噛み砕くと、孫子の軍形篇には、まず自分が負けない体制を整え、その上で相手に勝てる機会を待つ、という考え方が書かれているといいます。
ごうさんは、自分の事業はちゃんと持続可能な状態で続けられることが大事だと考えています。だからこそ一瞬の大勝ちより生き延びられる道を選び、派手に勝つ前に続けられる状態を構築できるかを重視しているそうです。
それでも勝負どころはある。ロケットと桶狭間
一方でごうさんは、長く続ける中にも、風が吹くときや力をぐっと集めるべき場面はあると話します。その一つが、事業の立ち上げ初期です。
ごうさんは立ち上げ初期を、ロケットが地上から宇宙を目指す打ち上げの瞬間にたとえます。打ち上げにはとてつもないエネルギーが必要なように、事業の始まりはどうしてもかなり頑張らなければいけない、という意味です。
もう一つの例が、戦いの中の勝負どころとしての桶狭間の戦い ── 1560年、尾張の織田信長が駿河の今川義元の大軍を破った戦い。少数が大軍に勝った例として知られ、信長が台頭するきっかけになりましたです。出始めの信長と名門の大大名・今川の戦いで、普通に戦えば今川義元が勝つ状況でした。
ごうさんは、信長がかなり無理をしてでも一瞬のチャンスをつかんだ戦いに、今回の話と通じるものがあると見ています。
チャンスが来るのは、もうね、自分のね、都合関係なく来ちゃうんですよ。
そのためごうさんは、中長期戦を見据えながらも、一瞬の勝負のタイミングは逃さないという、2つのバランスが大事だと話しています。
自分にとっての「桶狭間」と本編のまとめ
ごうさん自身にも、いま勝負どころが来ているようです。番組の最後に毎回告知しているイベントとは別に大きなイベントがあり、まもなく情報解禁になるといいます。
ごうさんにとってそのイベントは大きな転機になりうるチャンスで、「自分にとっての桶狭間」として、リソースや準備を集中させている状況だと話しています。
本編の結論として、ごうさんは一瞬の大勝ちよりも勝ち続ける道を選び、そのうえでここぞというときには力を集中させる、というやり方がいいのではないかとまとめています。
AI質問のお便りコーナーとは?
後半はお便りのコーナーです。お便りはそうそう来ないと思っていたごうさんが、AIに質問を作らせて答えていく形式で、質問はいろいろな人の役に立つ内容で作るようAIに指示しているといいます。
匿名質問サービスのマシュマロで届いた人間からの質問は、AI質問に混ぜられて質問集としてごうさんに見せられる仕組みです。どれが本物のお便りかは、月末の答え合わせ回で明かされます。
納品後の「うちらしくない」を防ぐには
出張で商品写真を撮る仕事をしています。先日納品した写真におしゃれだけどうちの商品らしくないと言われました。撮る前に参考写真を見せて確認したので、どこでズレたのかわかりません。ごうさんなら完成してからそういうつもりじゃなかったと言われないために、最初の打ち合わせで何を確かめますか?
写真の余白 さんから
ごうさんがまず挙げたのは、リテイクや変更の回数、範囲といった契約条件です。仕事の直前にできるのは、そうした条件を握ることくらいではないかと話します。
参考写真だけである程度期待値調整、コントロールするのはちょっと現実的じゃないかなというふうに思いました。
ごうさんは、お客さんの感覚に左右される部分はどうしても残ると見ています。そのため、言われることを前提にサービス設計やリソース調整をしておく、雰囲気の違うパターンをあらかじめ何枚か撮っておく、といった先手も考えられるといいます。
ただし一番いいのは、Instagramに自分の撮る写真をポートフォリオとしてたくさん載せ、そこ経由で仕事をもらうことだと、ごうさんは話します。
インスタに載ってる写真が多ければ多いほど、なんとなくあなたらしさっていうのをお客さんも分かった状態で発注してもらえる。
準備はいつ「できた」と言えるのか
未経験の仕事に移る準備って何を持って準備できたとするがいいでしょうか。私は今経理の仕事をしていて、ウェブ制作の仕事に移りたいと考えています。講座の課題は作れるようになりましたが、人に見せて仕事を探すとなると、まだ勉強が足りない気がして次の講座を探してしまいます。講座なら学び足すか、今あるものを人に見せるか、どう判断しますか?
夕方のノート さんから
ごうさんは、自分もかつて講座や資格で準備する側の人間だったのでよくわかる、としたうえで、講座や資格は使い方の根っこから違うと話します。
趣味ならいいの。全然趣味として自分の知識を広げたい、幅を広げたいならそれでいいんだけれど、
仕事っていうものになった時に、(中略)お客さんが求めていることを提供できればいいんですよ。
ごうさんの考えでは、仕事とはお客さんの困りごとを解決し、頼んだ前後でどれだけ変化があるかです。今の自分で提供できないものがあれば、その足りない部分を何かで補う、という順番になります。
具体的には、クラウドワークスやランサーズで今できる仕事を受け始めたり、知人に「お金はいいから作らせてほしい」と頼んで実績を作ったりする方向をすすめています。
準備ができたかを判断する基準はなく、迷っている間にも実際に仕事を始めた人との差は広がっていく、とごうさんは話します。
ごうさんはウェブ制作の仕事について、注意点も付け加えています。AIの急激な進化で、AIの波をうまく活用し見極めないと仕事がなくなっていく可能性があり、クラウドソーシングの案件も減っている気がするといいます。ただし、案件数は確認していないと断っています。
顔の見えない一人語り、説明はどこまで?
一人でラジオを撮ると相手の顔が見えないので、説明が足りないのかもう自分なのかわからなくなります。ごうさんの収録中、目の前に聞き手がいない状況でどこまで説明するかを何を頼りに決めていますか?
声のメモ さんから
ごうさんの答えは、そこはあまり意識していない、というものでした。お便りが来たら考えればいいし、喋りすぎても何を言いたいかわからなくなる、と話します。
一応の目安として、前提知識がなくても聞ける程度には話そうと思っているそうです。番組を始めたばかりでフィードバックはまだもらえていないものの、AIを間に挟んでいるので、極端な過不足はないのではないかと考えています。
ごうさんの収録では、話したいテーマを音声入力でざっと出し、それをAIに整えてもらい、話す量や順番を調整しているといいます。そのうえで、AIに「この説明は足りているか」と聞いてみるのもいいかもしれない、と提案しています。
移住を考える友人に見せたい場所は?
友人が私の住む町への移住を考えて遊びに来ます。せっかくだから好きになってほしいけれど、観光地だけ案内して帰すのも違う気がしています。ごうさんが三豊で暮らしたいという人を案内するなら、観光の時とは違うどんな場所や場面を見てもらいたいですか?
町の七三 さんから
ごうさんがまず思い浮かべたのはスーパーです。日々の買い物は暮らしに一番近い接点の一つで、観光地の有名店とは違い、ハレとケ ── 民俗学で、祭りや行事などの特別な日を「ハレ」、普段の日常を「ケ」と呼ぶ考え方でいえば「ケ」の側だと話します。
日々の暮らしの中で、やっぱりその食が合うかどうかっていうのは非常に大事な要素だと思っていて。
スーパーでどんな魚や野菜が売られているかを見て、実際に買って食べてみることは、住んだときをイメージするシミュレーションになる、とごうさんは考えています。
次にごうさんがすすめるのは、滞在期間を長めにとってもらうことです。Airbnbで1週間や1か月住んでもらうと、短期では見えないものの解像度が変わるといいます。
レンタカーで実際に移動してみれば、お店の近さやアクセスの感覚もつかめます。ごうさんは「近くのコンビニまで車で15分が耐えられますか」という例を挙げ、電車やバスがある地域なら駅までの距離も見ておくとよいと話します。
さらに期間がとれるなら、夏と冬に経験してもらうのもありだといいます。北海道出身のごうさんによれば、同じ北海道でも雪がたくさん降る地域と、雪は少ないがとても寒い地域に分かれるそうです。
やっぱそこ(夏と冬)は一回は経験しないと、さすがに北海道住むかどうかを決めるのはやめた方がいいよって言うと思うしね、僕だと。
旅の荷物、持っていく物の線引きは?
一泊なのに充電器やら予備の服やらで毎回三泊分ぐらいの荷物になります。使わずに持ち帰ると、帰り道だけは次こそ減らそうと決意しています。ごうさんは仕事ではない旅行の荷物を選ぶ時、絶対持っていくもの、なくてもなんとかなるものをどう分けていますか?
旅の荷物 さんから
ごうさんの線引きはシンプルです。行った先で買えるものは持っていかず、行った先で手に入らないのに無いと困るものは持っていく、という分け方です。
もう持っていくならもう持っていくで諦めて、持っていくものをめちゃくちゃ軽くしていく。
もう一つの方向性として、ごうさんはリュックや服など持ち物の重量自体を軽くする方法を挙げています。荷物は減らなくても、体の負担は前より楽になるという考え方です。
エンディングでは、収録が2026年11月4日の朝7時であること、その日はイベント用のわたあめ作りを10時間ほど行う予定であることが語られました。11月22日11時から16時には、東京・有楽町駅前広場の「瀬戸内かがわみとよマルシェ」に、三豊のフルーツを使った大人向けのクラフトわたあめを別のスタッフが持っていくと告知しています。
まとめ
今回のごうさんの話の軸は、一瞬の大勝ちより勝ち続ける道を選び、立ち上げや大きなチャンスといったここぞという場面だけ力を集中させる、というバランスです。後半の質問への回答でも、実績を先に作る、暮らしを体験してもらうなど、続けることを見据えた具体的な考え方が語られました。
- 短期決戦とリーグ戦のように、一度勝つことと勝ち続けることでは取るべき戦い方が違う
- ごうさんはわたあめ事業で、一時のブームや派手な宣伝を避け、事業の足腰づくりを優先している
- 孫子の「まず負けない体制を整え、勝てる機会を待つ」が考え方の根っこにある
- 立ち上げ期や桶狭間のような勝負どころでは、力を集中させることも大事だとしている
- 未経験の仕事への転身では、準備の完了を待たず副業で実績作りを始めることをすすめている






