ディレクターとして入った案件が、入金されなかった
1年ぐらい前に受注した案件で、クライアントからの入金がないまま終わってしまったことがあります。私がディレクションを担当し、デザインは別の方に発注するという、クライアント・私・デザイナーの3者の構造でした。
制作は無事に終わって納品し、いつものフローで請求書を案内しました。ところが入金日になっても振り込まれません。
連絡すると「来月中には必ずお支払いするので」と言われ、その場は了解しました。
ただ、私はデザイナーさんから請求書を受け取る立場です。クライアントの入金状況は、デザイナーさんには関係ありません。
自分もデザイナーなので、それはよくわかります。だからクライアントからの入金がないまま、期日内に制作費を支払いました。この時点で、もう赤字なんです。
待つと決めて、倒産の連絡を受けた
翌月の入金日も、入金はありませんでした。忙しそうな方なので2、3日の遅れなら何も言わないのですが、「次お願いします」という形での遅延だったので、すぐに連絡しました。
返ってきたのは「本当にすみません、来月には本当にお支払いします」という返事でした。この方とは2回目の取引で、1回目にはかなり大きめの額を発注してもらっていました。
続けて依頼してもらえたことが嬉しかったのもあり、当時はネガティブな印象もなく、「待ちます」と答えたんです。
ところが、通常の入金日から2カ月後も振り込まれませんでした。今度は事務的な定型文に、「ご事情があればお話しいただけると嬉しいです」と添えて連絡しました。
すると、会社の状況がよくなく、倒産のような形になったので支払えそうにない、という返信が来ました。
倒産と聞いたうえで「それでも払ってください」と言うのは、私にとってもかなりエネルギーを使うことだと思いました。「言う権利はある」とは思いつつ、結局OKしたんです。
大変な時期だと思ったので、元気を出してくださいという趣旨のメールを送り、何かあれば力添えしますと伝えて終わりました。結果は未払いに加えて赤字です。
契約書も、着手金も、答えが出ないまま
振り返ると「契約書はどうなんですか」という話になると思います。実は、この案件では契約書を巻いていませんでした。
相手によりますが、契約書なしで進めることは正直多いです。特にSNSからの依頼だと、大丈夫だろうとラフに進めてしまう現実があります。制作会社さんや事業会社さんが相手なら、先方が用意してくれたものに沿って結びます。
請求額は7万円で、デザイナーさんに払ったのは4、5万円ぐらいだったと思います。勉強代だと思ってOKした面もあります。
これが50万円や100万円、あるいは数カ月かかるプロジェクトだったら、さすがにそうはしなかったと思います。
とはいえ、契約書があっても倒産されたらどうしようもなかったと思うんです。裁判を起こそうと思えば起こせますが、工数も費用もかかります。
それに、ずっとやりとりしてきた相手に裁判を起こすのは、ちょっと違う気がしました。ここは意見が分かれるところだと思います。
着手金をいただく方法も、ホームページ制作のように公開まで数カ月かかるとわかっている案件なら、ありだと思います。でもそうではない案件では、どうすればよかったのか、いまも最適解はわかりません。
仕事を受けるとは、リスクも引き受けること
ただ、反省したことがあります。仕事を受ければ当然報酬を得ますが、同時に先方の都合というリスクも引き受ける覚悟がないと、ちゃんとした仕事にならないということです。
それは信用とは別の話だと思います。だからリスクを引き受けるなら、法的に形のある契約書をしっかり作っておくことが大事だと思った次第です。
金額の感覚もあります。300円や1000円なら「まあいっか」と軽く思っていたかもしれません。でも3万円、7万円、10万円ぐらいになると、話が変わってきます。
いまは仕方がないので、勉強代として心に留めています。起承転結のない話になりましたが、そういう出来事がありました。
皆さんには、未払いに関する経験や知見はありますか。「自分はこうしている」「こんなことがあって大変だった」といった話があれば、レターやコメントで教えてもらえると嬉しいです。
読んでくれてありがとうございました。
まとめ
契約書を巻かずに受けた7万円の案件で、未払いに加えてデザイナーさんへの支払い分が赤字になりました。契約書があっても倒産には対応できないかもしれず、最適解はまだわかりません。ただ、仕事を受けることは先方都合のリスクも引き受けることだと痛感しました。
- クライアントの入金前でも、デザイナーさんには期日内に支払ったため赤字になった
- 倒産の連絡を受け、エネルギーや関係性を考えて請求を諦めた
- 契約書なしの受注は多いが、リスクを引き受けるなら契約書は大事だと感じた
- 着手金や裁判についての最適解は、いまもわからない



