芝政もJAMテラスも好調、福井の夏はどうだった?
9月に入り、まずは夏休みの振り返りから話が始まりました。土田さんは平日に休みを取って芝政ワールドへ出かけたそうです。
賑わってました。ちょっと休み取って平日行ったんですけど、もういっぱいでした。
芝政は県外だけでなく、意外と県内のナンバーも多かったと土田さんは話します。八木さんは、海水浴の人気が落ちる一方で、屋内施設やプールに人が流れている傾向を指摘しました。
軒並み今、海水浴が人気がないみたいな感じで、屋内施設があったりとか、プールのほうが流れるみたいな感じなので。
そうした流れの中で、八木さんは福井県のコンテンツの強さを強調します。芝政のような施設があること自体が、あわら温泉にとっても恩恵になっているといいます。
本当に恩恵をいただいているというか。ありますよ。
一方で、福井南波のような県内の来訪者が多く、日帰り利用も多いのではないかと八木さんは見ています。
八木さんが太鼓判を押すスキージャムのJAMテラス
繁忙期でゆっくりできない八木さんですが、休館日を使ってスキージャム勝山のJAMテラスに家族で出かけたそうです。感想はかなり熱がこもっていました。
まずまあ本当に、平日なんで人も少なかったのもあるんですけど、やっぱり山、標高高いじゃないですか。涼しいんでね。リフトに乗っていくんですけど、気持ちいいんですよ。
八木さんは、リフトで上がっていく体験をディズニーランドの人気アトラクションになぞらえて表現しました。
ディズニーランドのソアリンっていう人気アトラクションがあるんですね。空を飛んでいるみたいな。本当にそういうのをリアルで体験してるみたいな。
子どもたちもリピートしたいと言うほど気に入ったそうです。土田さんは、以前訪れた琵琶湖テラスの印象が強く、行かないうちから勝手な抵抗感があったと打ち明けます。
何ですかね、「琵琶湖テラスの方が勝てんだろう」とか、そういう勝手な抵抗感があったので。
八木さんは、リフトの乗り降りそのものが子どもに喜ばれるはずだと勧め、土田さんも行ってみると応じました。
料理人・パティシエの採用課題と、独立支援という発想
雑談から話題は、八木さんが今抱えている採用の課題へと移ります。事前に土田さんへ資料を投げていたテーマでした。焦点は料理人やパティシエといった技術職です。
こういう技術職とかって、本当に継承が難しいなっていうふうに、めちゃめちゃ感じています。
八木さんは、若い人を採用しても何年かのサイクルで独立していくことを含めて考えたといいます。そこで発想を転換しました。
むしろ将来お店を出したい人、独立したい人に来てもらうのが一番よいのではないか、というのが出発点です。その理由は、ホテル八木のビュッフェという形式にありました。
ケーキ屋やレストランでは決まったメニューを作ることになりますが、ビュッフェでは作り手が自分の考えたものを形にできる、というのが八木さんの見立てです。
作り手としては自分が考えたものを作っていきたいんではなかろうかと思って。独立を支援するっていう形を、一個、採用の軸として打ち出してみようかなと。
具体的には、1年間ホテル八木で働けば独立支援金を出し、さらに店を出すための応援融資も支援する、という内容になっていると八木さんは説明します。
うまくいくかはわからない、と八木さん自身も前置きしつつ、独立を前提に人を集めるという新しい軸で反応を見てみたいと話しました。
「面白い」と「弟子にかけて育てたのに」の間で
この案を最初に見たときの率直な感想を、八木さんは土田さんに尋ねます。
単純に面白いなって思いました。今、売り手市場というか、人がいないっていうのはどの業種行っても言われることなので。
土田さんのもとには採用に力を入れたい会社から相談が多く寄せられるといいますが、独立前提という発想は初めてだったそうです。
一般的には、育てた人材が独立することを企業は嫌がります。人材を投資として捉える考え方が背景にあります。
八木さんは、弟子にかけて育てるという言い方をしても、実際には3年での独立や転職が常に視野に入っている時代だと応じます。
転職とリセットボタン、世代間ギャップをどう捉えるか
話は転職観へと広がります。土田さん自身も転職を経てきた人間として、自分の経験を振り返りました。
次のステージに行きたいなっていうところもあったりとか、いろんな業種を見たいなと思ったんですよ。
当時はコンサルタントを志し、幅広く知っておく必要があると考えて動いてきたといいます。結果として今の仕事につながっていると土田さんは語ります。
一方で、今の若い世代には別の感覚があるのではないか、と土田さんは慎重に言葉を選びながら指摘しました。
八木さんも、この感覚を強く感じると同意します。ただし、それを一方的に責めるのではなく、仕方のないことだとも受け止めています。
世代間ギャップっていうか、それ仕方ないことだなとは思うんですけどね。
なぜ世代間ギャップは生まれるのか
どんな時にギャップを感じるかと問われ、八木さんは会社組織ならではの構造を挙げました。若手、中堅、ベテランが混在する中で、特に中堅やベテランから声が上がるといいます。
八木さんは、その声をただ否定するのではなく、人は自分が経験したことしか伝えられない、という前提から考えます。
人間って自分が経験したことしか基本的に体現できないじゃないですか。経験していないことを教えたり伝えるってできないわけで。
自分たちが受けてきた教育を前提に伝えても、今の子どもたちは受けている教育そのものが違う、と八木さんは指摘します。小学校の在り方 ── 授業の進め方や評価、ICT活用など、教育の現場は近年大きく変化しているとされる。世代によって前提となる学びの経験が異なることの一例として挙げられている。
土田さんも、業界を問わず似た相談を受けると話します。ただし、高い意識で吸収しようとする人も多くいることには念を押しました。
すごく高い意識を持っていろんなことを吸収してって思っていらっしゃる方もたくさんいるのは間違いない。
八木さんは、かつては自分たちが上の世代から物足りないと思われる側だったと振り返ります。立場が変わったことで見えてきたものがある、という自己認識でした。
世代間ギャップを前提に、採用をどう組み立てるか
ここまでの議論を踏まえ、八木さんは結論めいた方向性を示します。ギャップを嘆くのではなく、それを前提として採用や仕組みを設計すべきだという考え方です。
じゃあ採用も含めて、それを前提に作っていかないといけないんだろうなというふうに考えてるんですよね。
さじ加減は難しいものの、世代間ギャップを前提条件として組み立てていくイメージだと八木さんは語りました。
これに対し土田さんは、事前に返送した内容に触れます。八木さんの方針に賛同しつつ、ベクトルが違うと感じた点があるといいます。
大きな趣旨は変わらないんですよ。社長の考え方にすごく賛同しますけど、ベクトルが違うなって思っていて。
この投げ返しの詳細は次回に持ち越しとなり、続きは次の収録で語られる予定です。
まとめ
夏の観光の話から始まり、料理人やパティシエの採用課題、そして独立支援という発想へと話が展開した回でした。世代間ギャップを嘆くのではなく前提として採用を設計する、という視点が軸になっています。土田さんが感じた「ベクトルの違い」は、次回に持ち越されました。
- 福井は芝政やスキージャムなど屋内・高原型のコンテンツが好調で、あわら温泉もその恩恵を受けている
- 八木さんは技術職の継承の難しさを踏まえ、独立・開業を志す人に来てもらう採用軸を検討している
- 1年勤務で独立支援金と開業への応援融資を支援する案を打ち出し、反応を見ようとしている
- 土田さんは独立前提の採用を「面白い」と評価する一方、育成を投資と捉える一般的な考え方との違いを指摘した
- 若い世代の「リセットボタン」的な感覚を前提に採用を組み立てる方向で一致し、具体案の相違は次回へ持ち越された


