全国労働衛生週間からメンタルヘルスまで、話題てんこ盛りの10月
この回は、衛生委員会の年間テーマを月ごとに紹介する2回シリーズの後編です。小橋さんは前回、4月から9月までを取り上げており、今回は10月から3月までを続けて解説しています。
まず10月について、産業保健の業界で外せないのが全国労働衛生週間だと小橋さんは話します。毎年10月1日から7日まで開催され、厚生労働省がその年のテーマを取り上げます。
ただし小橋さんによると、衛生委員会を開催する頃には週間が終わっていることも多く、実際には前月9月の準備月間で扱うことが多いそうです。
一方で最近は、10月10日の世界メンタルヘルスデーを起点に、メンタルヘルスの4つのケアや3つの予防を取り上げることが増えていると話します。
この時期はセミナーシーズンでもあるため、衛生委員会を拡張して産業医がメンタルヘルスについて話す依頼を受けることも多いそうです。
じゃあちょっと10月は衛生委員会を拡張して、産業医の先生、30分とか60分メンタルヘルスについて話してくださいみたいな、そんなご依頼を受けることも多いですね。
さらに10月は、年次有給休暇取得促進期間、薬と健康の週間、脳卒中月間、乳がん啓発月間なども重なり、非常にテーマが多い月だと小橋さんは整理しています。
長時間労働と感染症予防が焦点になる11月
続いて11月について、小橋さんは過労死等防止啓発月間を挙げ、長時間労働対策が重要なテーマになると話します。
そのほか11月14日の世界糖尿病デー、アルコール関連問題の啓発、総務省が実施するテレワーク月間なども11月に入ってきます。
また、月間という枠ではないものの、インフルエンザワクチンについては流行前の10月から11月ごろに取り上げることが多いそうです。
忘年会シーズンに気をつけたい、ヒートショックと12月の健康管理
12月について、小橋さんはまず職場のハラスメント撲滅月間を挙げます。2026年10月にはカスタマーハラスメント対策や、求職者などに対するセクシュアルハラスメント対策も義務化されると説明します。
パワーハラスメントに限らず、ハラスメントの知識や相場観はまだ浸透していないと感じることが多いため、この機会に取り上げるとよいと小橋さんは話しています。
さらに12月から1月は冬場の健康管理を扱うことが多く、特に12月は忘年会など外でお酒を飲む機会が増える点に注意が必要だと指摘します。
寒さで血圧が上がると脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まり、そこにアルコールの利尿作用による脱水が加わります。温かい部屋から寒い外へ出る寒暖差で、一気にリスクが高まるとのことです。
小橋さんは、こうした一連の状態をヒートショックと呼ぶと説明し、12月は年末年始も含めて冬場の健康管理を取り上げる機会が多いとまとめています。
寒さで血圧上昇
脳卒中や心筋梗塞のリスクが上がる
飲酒で脱水
アルコールの利尿作用で体が脱水状態になる
寒暖差で発症
温かい部屋から寒い外へ出て一気にリスクが高まる
冬場の感染症対策がテーマになる1月
1月は基本的に12月の延長線上で、冬場の健康管理を扱うことが多いと小橋さんは話します。
なかでも冬場の感染症対策が中心で、インフルエンザやノロウイルスがこの時期にピークを迎えます。予防や治療、周囲にうつさないための対策を共有することが多いそうです。
転倒災害・化学物質管理・花粉、備えが分かれる2月
2月について、小橋さんはまず転倒災害を挙げます。雪や凍結による転倒は冬場に多いため、2月に限らず取り上げることがあるとのことです。
また、2024年からの化学物質の自律的管理に伴い、2月に化学物質管理強調月間が設定されるようになりました。リスクアセスメントのやり方などを振り返る機会になると話します。
さらに2月はアレルギー週間もあり、この時期の代表格は花粉だと小橋さんは話します。花粉が舞い散る前から対策すると症状コントロールがしやすくなるため、1〜2月から取り上げることが多いそうです。
年度末の振り返りと、記念日だらけの3月
3月について、小橋さんは年度末とする企業が多いため、1年間の振り返りや来年度の計画を話し合うことが多いと説明します。
一方で3月は記念日や週間が非常に多い月でもあります。3月4日の世界肥満デー、3月13日の世界睡眠デー、3月第2木曜日ごろの世界腎臓デーなどが挙げられます。
週間では3月1日から8日の女性の健康週間や世界緑内障週間、月間では自殺対策強化月間もこの時期です。耳の日や脈の日など、細かな記念日も多くあります。
ただし小橋さんは、記念日をなぞるだけでなく、自社の課題に沿ったテーマを重点的に取り上げることが大切だと強調します。これは3月に限らず、1年を通じて言えることだとまとめています。
クライアント向けニュースレターを、少し広く届けたい構想
最後に小橋さんは、oneself.がクライアント向けに毎月発行しているニュースレターを紹介します。担当者向けと社員向けの2種類を作成しているそうです。
内容は今回話したような月ごとのテーマに加え、法令改正や最新トピックスなどで、専任の保健師スタッフが中心に作成しているとのことです。
マーケティング支援を受けている担当者に一部を見せたところ、読みたいという感想をもらったことをきっかけに、クライアント枠を超えて広く届けてもよいかもしれないと考え始めていると話します。
ただし、名刺交換をした瞬間にメルマガが大量に届くような形は好まないため、基本はオプトイン方式にしたいと小橋さんは説明します。
(ニュースレターは)基本はオプトイン方式で、ワンセルフのお役立ち情報が見たいみたいな、そういう方たち限定でちょっとずつ出していこうかなと思ってる。
見たいという人がいれば、先着で何名かにトライアル的に届けることも考えているとのことです。
なお次回は、3月はビッグコミック方式でよいと考えているため、再来週の4月1日配信になる見込みだと小橋さんは話しています。その間、産業保健もやもやハレ晴れというポッドキャスト番組にゲスト出演していることも案内されました。
まとめ
この回は、衛生委員会の年間テーマを10月から3月まで月ごとに整理した後編です。全国労働衛生週間やメンタルヘルス、ハラスメント、冬場の健康管理、年度末の振り返りなど、各月の切り口が具体的に示されました。
- 10月は全国労働衛生週間やメンタルヘルスなどテーマが非常に多く、実際は前月の準備月間で扱うことも多い
- 11月は過労死等防止啓発月間を中心に長時間労働対策、12月はハラスメント撲滅月間と冬場のヒートショックが焦点になる
- 1月は冬場の感染症対策、2月は転倒災害・化学物質管理・花粉、3月は年度末の振り返りと多数の記念日が並ぶ
- 記念日をなぞるだけでなく、自社の課題に沿ったテーマを重点的に取り上げることが1年を通じて大切
- oneself.のクライアント向けニュースレターを、オプトイン方式で広く届ける構想も語られた


