10年前のiPhoneを替えて感じたこと
先日、実家のある埼玉の八潮に寄って、両親のiPhoneを機種変してきました。
使っていたのはiPhone 7です。調べてみたら2016年の発売で、ちょうど10年前の機種でした。
使い道はYahooとLINEと電話くらいでした。だから、古くてもまあいいだろうと思って、騙し騙し使ってもらっていたんです。
iPhone 7は、もう新しいiOSをインストールできません。
サポートが終了した機種は、変えていかないといろんなことが起きる。今回それを改めて感じました。
そしてこれは、ホームページにもそのまま通用する話なんです。
PHP問題のあとに来た「第2波」
先月、PHPの脆弱性に関する問題が起きました。高市総理もXでポストするような、かなり歴史的な出来事でした。
それに関連する問い合わせが来るだろうというのは、予想していました。お客様が困っていることに対して仕事が来たらいいなと思うのもどうかな、とは思いながらですが、、
実際に来ましたね。「ホームページが今表示されていないので、助けてほしい」という相談です。
相談をくださった方のホームページに共通しているのは、古いということです。10年どころではなく、十数年前からずっと同じ形で、スマホにも対応していません。
集客のためではなく、信用のために置いているという方もいます。自分のブログを楽しみにしてくれる人がいるから、今のままずっと続けたいという方もいます。
ただ、ブログを更新するための仕組み、CMS ── コンテンツ管理システム。専門知識がなくてもWebサイトの記事を作成・更新できる仕組みがすごく古かったりするんです。
PHPのバージョンが古いと危ないとか、WordPressのバージョンが低いままPHPを上げたら逆に動かなくなるんじゃないかとか、いろんなことが言われていました。
そうした事情で、ホームページが開かない、このままだと危ないという相談が来始めています。PHP問題の第2波みたいなことが起きているのが、今なんです。
MovableTypeのサイトと、お断りの見積もり
ある方は、『MovableType』で作ったホームページが表示されなくなったと相談してくださいました。
MovableTypeは、以前はオープンソースとして無料で使える時期があったCMSです。今もありますが、有料化されています。僕も過去にMovableTypeでホームページを作ったことがあって、実は好きだったんです。
記事を投稿するとHTMLファイルに書き出してくれる「再構築」という発想があって、静的なページになるので読み込みが早いと言われていました。
ただ、MovableTypeが本格的に有料化したころから、テーマやテンプレートが充実してきた『WordPress』に流れが変わっていった訳です。僕のクライアントにもWordPressのサイトはたくさんありますし、いいCMSだと思っています。
話を戻すと、その方のMovableTypeは十数年前のバージョンでした。最新のPHPにするとどうなるか、僕は試したことがないので断言は控えます。
その方は数千記事を書き続けてきていて、安全に使い続けられるならそれがいいという希望でした。でも、多分それは危ないでしょう。
僕のところに相談が来た理由は、これまでの管理会社が「契約を終了させてほしい」というニュアンスだったからです。続けたければリニューアルをしてくれ、と。
それ自体はまだわかります。ただ、提示されたリニューアル費用は7桁、つまり3桁万円でした。その後の保守も、倍どころではない金額だったそうです。
これはお断りの見積もりなんだろうな、と思いました。相談者の方もそれを察して、他の人に頼もうと調べて僕のところにたどり着いたようです。
正直なところ、この方への解決策はまだ出せていません。発信することがこの方にとって大事なようなので、自分のホームページの中で続けるのか、『note』や『アメブロ』のような外部でやるのかも含めて、提案したいと考えています。
古い×古いで表示されなくなったサイト
他にもあります。社名は控えますが、コピー機をリースしている会社が、抱き合わせのようにホームページを売っていた時代があったんです。
コピー機の会社は取引先に入り込めるので、「今ホームページがない会社は信用に影響しますよ」と営業できます。担当者との関係性で「君が言うならお願いしようかな」となりやすい営業スタイルでした。
そうして受注されたホームページを、その会社が自前のサーバーで運用しているケースがあります。
そこがずっと変わらずやってきて、今回のPHP問題で表示されなくなった。ホームページも古いし、サーバーも古い。古い古いが重なって、という相談も来ています。
それから、この機会に業者を切り替えたいという問い合わせもありました。満足はしていなかったけれど、頼るしかなかった。でも自分の事業を守るために、重い腰を上げないと危ないと思った、という方です。
つまり、PHP問題の翌日にすぐ問い合わせが来たというより、その後なんですよね。表示されなくなって変えざるを得なくなった方もいれば、これまでの業者の対応に満足できず、今回を機に吹っ切れた方もいます。
チャンスより、関係性を見失わないこと
今後もこうした相談は増えるんじゃないかと思います。同業の方を見ていても、PHP問題での引き継ぎを謳って、チャンスと捉えている方もいらっしゃいます。商売でもあるので、それもわかります。
僕も実際に問い合わせをいただいていて、引き継ぎの方向で提案していきます。仕事をいただけるのは嬉しいんです。
ただ、大事にしたいのはクライアントさんとの関係性なんですよね。
きっかけはPHP問題でも、次は本当に安心したい、本業に集中したいと思われているはずです。だから、どこでもいいわけではなく、この人なら大丈夫だという選ばれ方だと思うんです。
今のところそういう方はいませんが、もし「どこでもいいから引っ越さなきゃ」ということなら、僕はお断りしちゃうかなと。ホームページは続くもので、関係性も続くものだからです。
もっと安いところが出てきたら切り替える、というのはやめてほしい。予算やランニングコストも大事ですが、ビジネスパートナーは誰がいいのかという視点で考えてほしいんです。
これを機にバンバン契約を取る、という姿勢ではありません。ご縁は増えそうですが、大事なことを見失わないようにしようと思っています。
相手も、次はもうこんなことで悩みたくない、時間を使いたくないと思っているはずです。だからこそ、そういう姿勢は見られていると思います。
これからも、想像もしなかったような相談で気づかされることはあると思います。でも大事なのは、その方がどんな事業をして、どんな思いでお客様を向いていて、今後どうなりたいのか。そこを、ホームページを作りたいという方と同じようにお聞きしていきます。
同業の皆さんはいかがですか。困っているお客様、本当に必要としてくださる方がいらっしゃいますから、その方々のために全力を尽くしていきましょう。
最近、クリエイター向けのYouTubeのサブチャンネルもしれっと始めました。幅広いクリエイティブについての僕なりの考えを話していくので、よかったらご覧になってみてください。それではまた次回。


まとめ
PHP問題のあと、古いホームページが表示されなくなったり、管理会社から事実上の契約終了を告げられたりする相談が増えています。僕は引き継ぎを提案しつつも、チャンスと捉えるより、長く続く関係性を大事にしたいと考えています。
- サポートが終わった古い仕組みは、iPhoneもホームページも、いずれ変えないと問題が起きる
- PHP問題の第2波は、表示不具合や業者側の対応への不満から、問題の少し後に来ている
- お断りの見積もりや、古いサイトと古いサーバーが重なったケースなど、相談の中身はさまざま
- 引き継ぎは「どこでもいい」ではなく、ビジネスパートナーとして選んでもらう関係でありたい




