今年のテーマは音読、しかも細かいところまで
4月はやっぱり、どんな学生が来るか、どのレベル感かがだんだんわかっていく時期なんですよね。
今は TOEIC で600点を目指す学生を対象に授業をしているんですけど、300点台の子もいれば、あと5点、10点という人もいて、いろんな学生が混じるので難しいんです。
そんな中で今年こだわっているのが音読です。昔からやっていたんですけど、結構細かいところまでこだわるようになりました。
たとえば「Have you thought of〜」という表現を教えるとき。thought of が「thought of」ってつながって発音されるじゃないですか。いわゆるリンキングですね。
僕は発音の知識にすごく詳しいわけじゃないんですけど、聞いていて、自分が音読していて、こう聞こえるんだよっていうのをひたすら真似してもらっています。
この部分がつながってるんだと気づけばあっという間に練習できるんですけど、最初はそこが苦手だったり、勘所が掴めていない学生も多いので、しつこく言っています。
TOEIC は解けるだけでいい、のか
正直に言うと、そこまで知らなくてもTOEICはできるんですよね。音読がその通りにできなくても、聞けて正解は出せるんです。
じゃあ正解が出せたらOKか。ほとんどの学生はそうなんでしょうけど、僕はそれだけじゃもったいないと思っていて。
正解も出せるし、かつ英語の面白さにちょっとでも近づけたらいいのかなと思って伝えています。
一つの文をいろんな切り口から音読していくというのが、今の自分の中でのブームなんですよ。自分がやりたい、伝えたいと思っていることって、熱が乗るじゃないですか。
もちろん演習をたくさんやってもらう教え方もできるんですけど、今年は音読に絞っています。僕がやりたいからっていうのが一番大きいんですけどね。
同じ教材でも、去年の自分とは気づくところが違う
授業では『公式問題集5』を使っています。TOEIC に詳しい人からすると「公式問題集5ね」という感じかもしれませんが、割といい問題が揃っているんです。
使いだして結構経つので、毎年同じ問題で教えるんですけど、去年残したマーカーやメモを見て「これ何のメモなんだろう」ってなることがあるんですよね。
だから教材は昔のものでもいいんですけど、モヤモヤしながら使うのも嫌なので、『公式問題集5』に沿った教材を改めて作り直しています。
最近はパート3、4に力を入れていて、会話の中から「この一文は絶対に覚えて、繰り返し音読してほしい」というものを抜き出して解説しています。
英語を読み取れることの、神秘みたいなもの
やっぱり英語って難しいんだなと、教えていて思います。単語を覚えて終わり、文法を覚えて終わり、というわけじゃないんですよね。
これは僕のあくまで気づきなんですけど、一つの文にはいくつもの文法事項が扱われています。
さっきの「Have you thought of any ideas?」でも、現在完了の Have you、think of という言い回し、any の意味合い、その先の make の使い方と、いろいろあるんです。
しかもある内容が別の場面で出てくると、「あ、あの時言ってたことと共通してるな」って人は気づけるわけですよね。改めて面白いなと思います。
今はAIに「この文で使われている文法事項を出して」と言えば、パッと出てくるんでしょうけど。
でも実際に英語を使う場面では、自分で文法事項を見抜いたり、使えるようにしなきゃいけない。AIに聞くだけだと、自分で見抜く観察力が磨かれないんですよね。
習った内容を自分で使えるようにしなきゃいけない。言語を使うときは、結局自分一人なんです。そこはもっと強調しなきゃなと、話しながら思いました。
単語ばかりやっていて気づいた、バランスの難しさ
最近は『Distinction』のチャレンジもやっていて、1日1200表現をチェックするのが超大変です。1時間半くらいかかります。
著者の Atsu さんもやっていて、そのログを見ると1時間20分くらいかかっているんですよ。制作している人ですらそれだけかかるんだと思って。
面白いのが、チェックしていくと「あの表現と似てるな」「まとめて覚えるといいな」というのが思い出せて、つい口に出すから逆に時間がかかるようになるんです。
語彙のネットワークが頭の中にできていく感覚はすごくあります。先日、大学のネイティブの先生と英語で話していたら、その表現が出てきて、やっぱり使うんだなとモチベが上がりました。
ただ、単語ばかりやっていて、文単位で発音していないなと気づいたんです。それで『総合英語FACTBOOK』の基本例文をまた声に出して読み始めています。
基本例文をバーッと音読していくと、比較の倍数表現みたいに普段触れない項目にも2日に1度くらい出会うんですよね。
最近はバイトも始めて、大学の授業もあって、今までほど余裕がないんです。仕事や家事で時間がない中で英語をやっている人たちは、本当にすごいなと改めて思います。
まとめ
今年は音読に全振りしていますが、これで学生にどんな変化が見られるのかは、正直まだこれからです。7月あたりに振り返ったとき、この方向性がどう変わっていくのか、またお伝えできたらと思っています。
- 今年の授業は音読に絞り、リンキングやアクセントまで細かくこだわっている
- TOEIC は解けるだけでもいいが、英語の面白さに近づいてほしくて教えている
- 同じ教材でも去年と気づく点が変わり、自分の変化を実感する
- 単語ばかりだとバランスが崩れるので、基本例文の音読で整えている




