珍しく最後まで読んだ本「靴を磨けば心が晴れる」
この回は9月の午前中に収録されました。清水さんはこの収録のために、朝から何の作業もせず体調を整えて来たと話し、おしょうさんを驚かせます。
本題の前に、おしょうさんが1冊の本を紹介します。普段はほとんど本を読まないというおしょうさんが、珍しく最後まで読み切ったのが『靴を磨けば心が晴れる』です。
本当に本読まないんですよ。マジで。
著者は、靴磨きをしながら世界を回る靴磨きトラベラーの宗匠さんで、吉光さんの出版社から出た本だとおしょうさんは説明します。置いてあったものをパラパラめくり始めたら、面白くて読んでしまったそうです。
おしょうさんがこの本で特に感じたのは、著者の冒険のすごさと同時に、編集者である吉光さんの編集力でした。著者と読者の間に立つ「仲介者」として、本の中身を自然な形に整えている点に感心したといいます。
背景にあるのは、人は自分をよく見せたくなるという感覚です。おしょうさん自身、別のラジオ番組に出演したとき、自分をよく見せたい気持ちが強く出ていたと振り返ります。
人ってさ、自分のことよく見せたいじゃん。
本を書く著者にも同じ気持ちがあるはずだが、この本はそこをナチュラルに持っていっている、というのがおしょうさんの評価です。清水さんは、帯に書かれた「私のためとあなたのためとの淡いにどこまで行こうか」という2行が好きだったと話します。
本が売れてもお金が入らない?出版社の資金繰りと読書事情
本の話から、おしょうさんは出版社の苦しさに話を広げます。出版社が大変なのは、本が売れてから売上が入ってくるまでのタイムラグが大きいことだといいます。
本が売れてからその売上が入ってくるタイムラグがやばいのよ。
最短半年後だよ。
印刷費などの支払いは先に発生するため、出版社は自転車操業になりがちだとおしょうさんは話します。吉光さん自身も著書の終盤で、出版社はお金がなく大変だと吐露しているそうです。
この話は、おしょうさんたちが作っている雑誌にもつながります。Gachi Adachi Clubの雑誌づくりでは、売上がいつ入るかわからないため、制作の予算を先に集めているといいます。
先に支払う
印刷費などの制作費が先にかかる
本が売れる
売れても売上はすぐには入らない
入金を待つ
売上が入るのは最短でも半年後
自転車操業
その間の資金をやりくりし続けることになる
そのうえ、現代人はどんどん本を読まなくなっている、とおしょうさんは続けます。一方の清水さんは本が好きで、何冊も買ってはつまみ読みするタイプだと話します。
清水さんは最近、インスタで紹介されていたファンづくりの本を即買いして読んでいるほか、美術関係の本や小説も読むそうです。小説は江國香織さんを読み始めたところで、小説デビューはおしょうさんの影響だといいます。
この話をきっかけに、おしょうさんが青春時代に読んだおすすめ本をひたすら語る回を、いずれちゃんとやろうという話になりました。
距離感バグ太郎さんの相談と「キャラ」とは何か
ここからがお悩み相談室です。今回の相談は、30代の距離感バグ太郎さんから寄せられたものです。
僕は人に好かれたいと思うほどちゃんとした人になってしまいます。相手が何を求めているか考えたり、困ってたら先回りしたり、なるべく嫌な思いをさせないようにしたりします。多分悪いことではないんですが、気づくと便利で感じのいい人にはなれても、なんかこの人好きだなあっていうふうにはなれてない気がしています。
逆にちょっと抜けてたり、自由だったり、勝手なことを言ってる人の方が妙に愛されてたりしますよね。人に好かれようとしてちゃんとするほどモテから遠ざかることはあるんでしょうか。お二人の考えるちゃんとしてる人とモテる人の違いを聞いてみたいです。
清水さんの最初の感想は、ラジオネームからユニークな人を想像したのに、相談内容はとてもちゃんとしていた、というものでした。おしょうさんはこれを「キャラと行動が合っていない」と受け取ります。
おしょうさんが問いかけたのは、バグ太郎さんが真面目なキャラを変えたいのか、それとも人に好かれたいのか、という点です。おしょうさんの考えでは、キャラは手段で、ゴールは相手からの印象、つまり好かれることのほうにあります。
手前に、キャラの方が手前にあるじゃん。
話がうまく伝わらず、二人は「キャラとは何か」から掘り下げます。清水さんは、キャラを「自然発生的にそうなっている状態で、周りが同じように受け取っているもの」と表現しました。
キャラ変はできるかという問いには、清水さんは「できても持続性がない気がする」と答えます。一方でおしょうさんは、キャラ変は十分できると考える側です。
清水さんも、マインドが変われば行動が変わり、キャラも変わっていくという流れに納得します。そのうえでおしょうさんは、キャラに具体性を持たせるため、お互いのキャラを言語化してみようと提案しました。
しっかり者の天然、怖モテの繊細さ。二人のキャラに見るギャップ
おしょうさんが語る清水さんのキャラは、コミュニケーションが素敵な、ちゃんとした人です。そのうえで、たまに大爆笑をさらう天然発言があるといいます。
たまに本当に大爆笑をさらう天然、天然発言がありますよね。
清水さん本人も、昔から「天然だね」と「しっかりしてるよね」という正反対の評価をよく受けるそうです。おしょうさんは、その抜けている部分がギャップであり魅力であり、キャラでもあるとまとめます。
一方、清水さんから見たおしょうさんのキャラは、関係の距離によって大きく違うといいます。関係が浅い人からは、少し怖がられていると清水さんは見ています。
シラフで平日の昼間とかだと多分ちょっとシャイな部分が出ちゃうので、それがそのビジュアルと相まって、怖い、近寄りがたいみたいな感じに思ってる人もいるかなって思ってる。
ところが近づいてみると、おしょうさんはとても優しく繊細で、自信家な面もあり、身近な仲間をとても大事にする人だと清水さんは話します。
ちょっと怖モテで近寄りがたい。遠くを見て、いろんな活動で大人数と関わるのが好きそうに見える
優しくて繊細、自信家な面もある。身近な仲間との関係をいちばん大事にしている
おしょうさんは、この遠近のギャップが大事だと受け止めます。遠くからの印象が少しマイナスから入っているからこそ、プラスに転じやすいという見立てです。
この方のキャラも、だからマイナスから入ればいいと思うのよ。
キャラではなく見た目を変える?「誰にモテたいか」という問い
おしょうさんの具体的な提案は、バグ太郎さんがキャラを変えるのではなく、見た目を変えることでした。まずはパンチパーマ、ヒョウ柄のTシャツなど、近寄ったらやばいと思わせる外見にしてみようというものです。
だからキャラを変えるんじゃなくて、服装を変えよう。
中身はこれまでどおりちゃんとした人のままで接すれば、見た目とのギャップで好印象になる、というのがおしょうさんの狙いです。清水さんも、内側を変えるより外側を変えるほうが簡単そうだと賛成します。
見た目も中身もちゃんとした人。便利で感じがいいが、ギャップがない
見た目は派手で近寄りがたい。中身はちゃんとした人のままで、ギャップが生まれる
ただし清水さんは、この作戦にはリスクがあると指摘します。見た目を変えることで第一印象が劇的に悪くなり、多くの人との出会いの機会を失う可能性があるからです。
おしょうさんはこれを、「人に好かれる」をどう捉えるかの違いだと整理します。大人数に好かれたいなら大きなリスクですが、少ない人数にとても愛される可能性は十分にある、という考え方です。
だからそれどっちを取るかはバグ太郎次第だよね。
この流れから、清水さんは「まず誰にモテたいかを決めたほうがいい」と強調します。対象が決まらないと、自分がどう変わるべきかがわからないからです。
自己理解はどうすれば深まる?おしょうさんの昔とリトリート
おしょうさんは、昔の自分はバグ太郎さん寄りだったと振り返ります。合コンをよくしていた頃の最初のうちは、モテるとは何かもわかっておらず、誰に好かれたいのかというイメージもなかったそうです。
バグ太郎と一緒で、なんか結構あの人には優しいし、ちゃんとしてたんだけど、当時遅刻とかもあんましなかったし。
清水さんは、おしょうさんが変われたのは「誰にモテたいか」の前に自己理解があったからではないかと指摘します。おしょうさんも、自分がモテないと認めるところから始まったと応じました。
おしょうさんは、バグ太郎さんも「ちゃんとしているのに好かれていないかも」と気づいている時点で自己理解はできている、と考えます。しかし清水さんは、それは他者評価の目線での理解にとどまっていると見ています。
多分自分が何が心地よくて、どんな人のために自分が何がしたいかとか。
では、自分に矢印を向けるにはどうすればいいのか。清水さんの提案は、自然の中に行き、動物と触れ合うなどして本能的な自分と過ごすリトリート ── 日常の環境から一時的に離れ、自然の中などで心身を休めたり自分と向き合ったりする過ごし方。旅行や合宿の形で行われることが多い言葉ですでした。
スマホとかなんか街のいろんな情報にずっとこう触れてると、なんでしょう、集中力が削がれる。
リトリートをあまりしないというおしょうさんも、半年に1回ほど銭湯でリトリートしていると明かします。ただ、お湯に浸かると手が荒れてしまうため、頻繁には行けないそうです。
アドバイスは最終的に「髪型とファッションを変える」に落ち着きます。さらにおしょうさんは、代々木にあるカフェブラックスロースカフェでTシャツを買い、店主の伊藤くんと話すのもいいと勧め、「人に丸投げしようとしてる」と自分で笑っていました。
朝のゆるさと「ギャップが大事」という結論
途中でおしょうさんは、午前中はあまり力を発揮できないかもしれないと漏らします。朝から何も食べておらず、雑誌づくりの作業で頭を使った後なので、体力はあっても魔法を使う力が残っていない感覚だといいます。
HPは全然体力は残ってんだけど、MPが残ってない。
清水さんは、このゆるやかな感じが朝っぽくていいと受け止めます。そこから、次回はテンポを落として朝のラジオっぽくやってみようかという話になり、「緩いし浅い」と二人で笑い合いました。
そのやり取りの中で、おしょうさんは改めて、今回の相談の答えはギャップだと強調します。ふだんとの落差にみんなが驚く、という感覚が相談とつながったようです。
バグに伝えたいよ。もうほんとギャップが大事だから。
AI時代は「ダメなところが個性」。プレッシャーとプロセスの話
自分はどんなギャップを作りたいかと聞かれたおしょうさんは、自分のことはあまり意識しないと答えます。そのうえで、この相談を聞いて最初に思ったことを明かしました。
おしょうさんが最初に思ったのは、AIの時代だからこそ、ダメなところが個性だと肝に銘じたほうがいい、ということでした。その日も別の番組でAIの話をしていたそうです。
おしょうさんによれば、AIっぽい動きをするだけではあまり良くない気がするといいます。だからこそ、最近はダメなことをしても落ち込まないことだけを気をつけているそうです。
実はおしょうさん自身、9月はあまり調子が良くないといいます。それでもダメなところが出てきたら、それが自分の個性だと考え、幻冬舎の箕輪さんのような開き直りで乗り切っていると話します。
なんか怖くなって動けなくなるぐらいなら、そうやって、もう出しちゃったものはしょうがないって。
清水さんも9月前半は調子が良くなかったと打ち明けます。おしょうさんは、子どもの夏休み明けで体調が優れないことに加え、Gachi Adachi Clubの雑誌のプレッシャーに押しつぶされそうだと本音を語りました。
今日もあの95パーぐらいは集中して喋ってんだけど、5パーセントずっとこの後泉ちゃんとの打ち合わせで雑誌の話、これとこれ話さなきゃみたいな。
このまま春まで走り続けたら不健康では、と心配する清水さんに、おしょうさんは結果を出すしかないとしつつ、結果までの道筋が立っていればいける気がすると答えます。
おしょうさんは、バグ太郎さんにも同じことが言えると気づきます。結果を出すためにプロセスを見直そう、と呼びかけて相談を締めくくりました。
その、プロセスを見直そう。プロセス、いけるよ。
最後は、北千住の紹介制のバーGachi Adachi ClubのInstagramアカウントができたことと、月1回店に立つメンバーを2人ほど募集していることが告知されました。
まとめ
「ちゃんとしているのに好かれない」という相談に対し、二人はキャラを手段と捉え、見た目で入口を変えてギャップを作ること、誰にモテたいかを決めること、自分に矢印を向けた自己理解を深めることを提案しました。背景には、AIの時代だからこそダメなところが個性になる、というおしょうさんの考えがあります。
- キャラは行動・言動・マインドの掛け算で、ゴールは相手からの印象のほうにある
- 中身を変えるより、見た目を変えてギャップを作るほうが簡単という提案
- 大人数に好かれたいか、少人数に深く愛されたいか。まず誰にモテたいかを決める
- 他者評価ではなく、自分が何を心地よく感じ、誰のために何をしたいかを知ることが自己理解
- ダメなところを出しても落ち込まず、結果までのプロセスを見直すことが前に進む鍵






